サクラノ詩は?![]() メーカーは枕 FDが出るということなので、何となくレビューしてみます。 というか、僕の記憶が確かなら「H2O」より先に「サクラノ詩」が制作決定になりましたよね。 それで気づいたら「H2O」が作られることになって、 いつの間にか発売されて、おまけにFDまで出ることになって…… あれですよ、都市伝説ですよ。 「サクラノ詩」は政府の陰謀だったんです。 そんな気がしてなりません。 ○シナリオ さて本作は差別をテーマに扱っています。 もはや慣習と化しているようで、誰も深く考えず、差別することが当たり前のように振る舞います。 ヒロインの一人である小日向はやみが主にその対象となります。 特別彼女がどうという訳ではないのですが、村八分にあっている家に生まれてしまったがために、不等な扱いを受けることとなります。 嫌な話ですが、よくあることです。 差別といじめをリンクさせて、学園モノに導入する。 なかなかいいと思います。 ですが残念なことに、どうも力不足です。 差別を扱ってみたものの、そこからどう広げたらいいのか、どう解決したらいいのかわからない。というのが、シナリオの端々から感じてしまいました。 その上、何だか中途半端な設定である主人公が盲目という点や謎の少女である音羽のこと……さまざまなファクターを交ぜすぎて、全体として見たときに結局何がしたいのかわからないという最悪の形でまとまってしまいましたね。 はっきり言って、これはライターの責任でしょうね。 というか、最終的にはSCA-自の責任です。 「サクラノ詩」を出さないからこんなことになるんです。「陰と影」を出さないからこんなことになるんです。あ、これはケロQでしたね。 ○夏ゲー? 本作は、いわゆる夏ゲーに分類されます。 確かに季節は夏ですし、田舎ですし、夏ゲーと言われたら夏ゲーなんだろうとも思います。 ですが、そんなに夏ゲーしていない気がします。 そうですねえ、言うなれば匂いがないんですよ。夏の匂い。 嗅覚的なものもありますが、決定的に懐かしさが足りないです。 どこかもの悲しいような、それでいて優しいような……そういった郷愁感ですね。 あとは、温度も感じませんでしたね。 「ホントにこいつら暑いのかな〜」ってプレイしてて思ってしまうんです。 だからと言ってCGが悪いって訳じゃないんです。 悪いのはライターです。 というかSCA-自です。 もう何でもSCA-自のせいです。 僕の人生がままならないのもSCA-自のせいです。 反面、冬はなかなかと思えるので、やはり夏の描写がダメなんでしょうね。 だから夏ゲーがしたくて本作の購入を考えている方がいらっしゃったら、 正直なところ、残念な結果になるかもしれません。 ○キレイ、素敵、ワンダフル! 何をそんなに興奮しとるのかと言えば、決まってるじゃないですか。絵ですよ、絵。 CGのクオリティはかなり高いです。 キャラごとによって原画・キャラデザ担当絵師が違うんですが、 統一感がちゃんとありますし、何より美しいんです。 肉感とは違います。線の細い、透明感のある絵ですね。 元いたる信者の僕なんかは発狂しそうになります。 背景も素晴らしいですね。 光や空の描き方がとてつもなく上手です。 まあ空については、ケロQの「終ノ空」から妙に惹きつける何かがありましたけどね。 それで本作は、ノベル形式なんですよ。 Leafでお馴染みのアレです。 だから絵が見にくいんです。 別に心理描写や風景描写がたくさんあるわけでもないのに、酷いときには画面全体がセリフでいっぱいになるのにも関わらずノベル形式です。 僕の怒りは「ええい、シナリオはいい。絵だ、もっと絵を見せろ」です。 SCA-自のせいです。 こんなにも素晴らしい絵を、どうでもいいテキストで隠してしまうのは損です。 また主人公が盲目で、色を理解できないという設定があるためにBlindness Effectというシステムがあります。簡単に言えば、これによって絵からぼんやりと色を抜くことができます。 味があってなかなかいいですし、主人公とシンクロしやすいのかもしれませんが、やっぱり損です。というか、最初から最後までとBlindness Effectを使ってたプレイヤーはいるのでしょうか? 時々思い出したように使うだけなのではないでしょうか。 発想はいいですが、企画倒れです。 SCA-自のミスです。 ○こいつら小○生!! 一応言っておくと、本作は過去編→現代編→アフター編と進んでいきます。 最初僕は、高○生だと思っていたのですが、授業内容や教師一人で全てを担当していること、あるいは給食などから、どうも高○生ではないような気になりました。 そして現代編の会話から考えるに、過去編は小○生時代であることが判明します。 その割には、みんな大人っぽいです。 大人っぽいのは大人の事情があるからだ。まあ、確かにそうでしょう。 ですが、過去編では主人公は盲目なんです。 全て主人公の想像なんです。 だからみんな大人っぽいのも、主人公が後から考えたヴィジョン……現代編で視覚を取り戻してから、そこからの情報で考えた映像だからではないでしょうか! はい、消えた! 無茶なフォローですよね。その当時に想像している描写がありますし。 それに何より、僕が何故フォローしているのか意味がわかりません。 だからもうどうでもいいです。 ○音楽 どこかで聞いたことのある曲ばかりです。 可もなく不可もなく。 特別言うことはありません。 ○システム 言うべきことは、これまた特にありませんね。 Blindness Effectは先述した通りです。 あとは、選択肢が何故あそこまで少なかったのでしょう? 完全にシナリオ分岐のためだけの選択肢ですよね。 そんな読ますほどのものでもないだろうに。 ○田端ゆい それでは、いつものやつにいきましょうか。 決まってるじゃないですか。攻略不可キャラですよ。 なぜこうまで僕が攻略不可キャラにこだわるかと言えば、その昔に伊藤乃絵美というキャラがいましてね……まあいいです。尋常じゃないぐらい話が長くなりそうなので。 言うまでもなく「柴崎拓也」は僕にとってNGワードです。「柴崎拓也柴崎拓也柴崎拓也」と連呼されると、きっと僕はPTSDを起こしてしまいます。 話が逸れてしまいましたね。 本作「H2O」において最大の攻略不可キャラ、ルートによってはド百合展開満開にされてしまった田端ゆいについてです。 「田端ゆいについてです」だなんてちょっとスカしてましたね。 ゆい様についてです。 まあ確かにはまじも捨てがたいです。 ネタバレのために詳しく言えませんが、彼が抱える問題、そしてとあるルートでの熱い展開。 日常パートでの爛漫さ。かつ、可愛さ。 女装? そんなの可愛ければどうということはないです。 ですがね、ゆい様にちょっと敵わないかなと思います。 だってね、「お兄様、お兄様」とか言ってるわりにはお兄様ただのチンピラだし、お兄様ほんとーにどうでもいいキャラだし、いかにも「ホントは色々あったんだけど、都合でイベント消しちゃったんだよ」臭がして堪りません。 手下のキャラの立ち絵があまりにぞんざいなことも堪りません。 攻略不可キャラはそうでなくてはなりません。 制作側から不等な扱いを受けていなくてはなりません。 はまじはどうも狙いすぎているきらいがあります。だからよくないです。 それに何より、アフターでのゆい様は魅力的すぎます。 不等な扱いから解放され、アフターにおいてはどのキャラよりも丁寧に描かれています。 嬉しいような悲しいような。まあいいです。 待ちぼうけのシーンとか、はやみとの語らいの場面とか、なにかこう……普通な感じというか……いや、全然普通じゃないんですけどね。なんというか、等身大な雰囲気を一番出していたような気がします。 ですが、Hシーンがあるのは減点ですね。 主人公とじゃなく、しかも百合なので、許容範囲ではあるんですが、 攻略不可キャラにHシーンは不要です。 身悶えさせてください。 「なんでHシーンがないんだよー!」と僕に怒鳴らせてください。 そうすることによって初めて、完全なる攻略不可キャラとなるのです。 その意味では、ゆい様は中途半端な攻略不可キャラです。 はやみアフターも、ほとんどゆい様エンドです。 ですがまあ、主人公との関係性という意味では、立派な攻略不可キャラです。 あんなにも表に出てきて、その一点を守りきったゆい様はさすがです。 ここは評価していいと思います。 ○まとめ ぶっちゃけてしまうと、色んなレビューサイトで語り尽くされているでしょうから、特に僕が言うべきこともないです。 そんなに複雑なストーリーでも、トリックがあるわけでもありませんしね。 よく言えば単純、悪く言えば稚拙なものですから。 そうですねえ、全編がアフター(アトゲー)のような感じだったらよかったのにと思います。 なんというか、差別がどうとか、目がどうとか、トラウマがどうとか、そんなの放置して、 ドタバタの萌えコメにしとけばよかったんです。 どうせ超人戦闘とか電波とかがなければ、ろくなシリアス展開にならないんですから。 いっそ開き直っておけばよかったんです。 いいじゃないですか、それで。 シリアスがあった分、アフターが引き立つんだ、という意見もあるでしょうが、 あんな中途半端でもやもやするものなら、最初からいりません。 ひなたルートでの、あの無茶苦茶な展開には、正直辟易しましたからね。 なんというか、こういうの多いですよね。 ムダにシリアスにしよう、泣かせようとして中途半端になるヤツ。 ストーリーに深みを持たせたい気持ちはわかりますが、 そのためにストーリー全体がダメになっていては本末転倒です。 さんざんSCA-自の悪口を言ってきましたが、なんだかんだで「終ノ空」から買い続けている僕は、結局SCA-自が好きなんでしょう。 嫌よ嫌よも好きのうち、違うか。 まあとにかく、不思議な期待感を常に抱いているのは事実です。 何か違うもの、何かトリッキーなものを発売してくれるんじゃないのか。 しかしそれは、ケロQでの話です。 わざわざ枕として発表しているのだから、アウトサイダーである必要はなく、むしろ開き直って王道をやって欲しかったです。 そんな期待を抱きながら、僕は「サクラノ詩」を待っています。 お願いですから発売してください。 評価 60点 H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-
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