橙のシロ  〜エロゲーレビュー・ブログ〜

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<<   作成日時 : 2007/02/27 00:01   >>

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ハマったぁ〜。


ふぃぎゅ@メイト
メーカーはEscu:de



○伏兵

アニメをこよなく愛し、大学のサークルではアニメについて語り合い、もちろんエロゲーだってプレイし、美少女フィギュア集めに尽力する典型的オタクな主人公・渡馬景護は、今日もアキバロードへ赴き、大好きなアニメ「恋するシルクハット〜マジ狩る怪盗メメ子〜」のガチャガチャを回すのだった。

すると爆発!!

えっ、何で? わけもわからないまま渡馬はその場から逃げ出し、帰宅するのだった。
そして買ったばかりのメメ子フィギュアを取り出し、妄想に耽りながら自家発電!!
するとどうでしょう、突然メメ子フィギュアが喋りだした!
彼女の名前はメメ子ではなく炎道イフリナ
なんと別世界の魔法少女だったのです。

炎道さんは禁断魔法を使ったことからピンチ状態に陥り、メメ子フィギュアに憑依したのでした。そしてもとに戻るためにはエーテル体を回復させなくてはなりません。
一体どうすればエーテル体が回復するのか?
そんなの簡単。セイエキを炎道さんにぶっかければいいんです!

果たして渡馬はどうなるのか? 炎道さんをもとに戻すことができるのか!?
ていうか、次から次へと変な奴らが出てきた〜!
どうなっちゃうの? ねえ、どうなっちゃうの〜!?



というのが本作のあらすじです。ワンダフルですよね。まさにエロゲーって感じですよね。
基本はバカ路線です。
ストーリー自体もたいしてというか、よくある感じなんですが、これが面白い!
なにゆえ面白いのか。それは魔改造のおかげです!

説明しようッ! 魔改造とはイフリナ様のエーテル体回復のためには必要不可欠なフィギュア改造のことであり、渡馬の妄想をよりグッドテイストにし自家発電を効率的にする目的をもっている恐ろしい最終奥義なのだ。また結果として「妄想具現化」という魔法によって具現化された等身大イフリナ様と色んなコスプレでチョメチョメしちゃう美味しい仕様でもあるのだ!

つまり、新しいフィギュア・ボディを他のフィギュア・パーツとドッキングさせることによって作り、そこに炎道さんの頭を差し込んで色んなコスチューム、シチュエーションを楽しんじゃおうというものです。

えっ、頭ってどういうこと?と疑問に思うかもしれませんが、メメ子のフィギュアは炎道さんからすればあくまでなので取り外し可能なんです。あれですよ、ジオングです。コクピットは頭だったのです。

さて、この魔改造の何が面白いかというと、SLGとなっているんですよ。
例えば、「ブルマメメ子」なるフィギュアをつくって炎道さんと洒落込もうと思ったら、
まず素体の「雛鳥 恋・体操服」が必要となります。これが基本ボディとなるので、ないと話になりません。なのでガチャガチャを回すなり、ネットオークションを使用するなりして手に入れることになります。
そして次にパーツです。素体だけ持っていても仕方がないのです、パーツを手に入れて改造しなくてはならないのですから。
この場合だと「ニューたん」というフィギュアを分解して「スポーツパンツ」を手に入れる必要があります。さっき同様の方法で「ニューたん」を入手し、改造コマンドでパーツ化してようやくゲットです。
そして最後に「雛鳥 恋・体操服」と「スポーツパンツ」を魔改造して「ブルマメメ子」の完成です。文字で書くとややこしいですが、やってみると難しくはありません。むしろサクサク進みます。

ですが、ガチャガチャってタダですか? ネットオークションは?
そうです、金です。銭が必要なんです。
渡馬は貧乏学生なので、金なんてありません。じゃあどうすればいい?

稼ぐんです!

そうなんです、渡馬はオタクですがニートではありません。働きます。
とはいってもコンビニでバイトしたり、肉体労働に勤しんだりはしません。
依頼を受けて注文のフィギュアを完成さし、報酬をうけるのです。
ちょっとした職人です。
あとは自分のフィギュアを売り払ったり、ネットオークションに出品したり、トレードしたり……
なんとも涙ぐましい努力です。
えっ、ニートとかわらないですって? そんなことはありません!
そもそも渡馬は炎道さんの下僕なんですからニートではありません!
世間体なんて飾りです。

それで、本作をプレイすれば、お金には結構悩まされると思います。
エロゲー内でもやっぱりお金には悩まされるものなのです。
報酬と言っても、レベルの低い最初から受けられる依頼なんて800円とかなんです。
ガチャガチャは一回200円〜400円ぐらいです。種類によって値段が違います。
すぐに金欠ですよ。
カナイ・ルートでは一万円貯めなくてはバッドエンド、なんていうことがあるのですが、
ただ金ばかり貯めていてはエーテル体回復が疎かとなり、これまたバッドエンド。
つまりバランスを考えながらプレイしなくてはならず、結構大変でした。

そうなんです。魔改造自体はサクサク進みますが、何も考えずにプレイすると確実にバッドエンドになります。割とシビアなんです。

これがホントに面白い!

ノベルゲーばかりやっていた僕には、いいカンフルとなりました。

それに魔改造のバリエーションも割と豊富ですし、やりこみ要素はかなりあります。
気づいたら夜が明けていた、なんてこと必至です。


その上、その上です、ADVパートだってしっかりしています。
SLGが全面に出されるゲームは、どうもシナリオがグダグダというか、適当な感じがしますが、
本作はそんなことございません。
キャラがしっかりと立ち、笑いありちょびっと切なさありのシナリオを丁寧に展開してくれます。
SLGパートとADVパートのバランスがとれているんです。
これはなかなか珍しいと思います。

しかもSLGパートで苦楽を共にした分、主人公と炎道さんに感情移入しやすいんですよ。
僕はハンパなく感情移入していましたね。
なのでシナリオがより一層楽しくなります。相乗効果です。

イフリナ・ルートでのハッピー・エンドを見たときなんか、正直世界の歪みがどうのこうのなんて理解できなかったんですが、そんなことよりも幸せな渡馬と炎道さんを見れたことで胸がいっぱいな気持ちになり、「クソッ、こんな、こんな色ものゲーに泣かされるなんてよ」と感動しちゃいました。

これは決して僕が末期的だという意味ではありません。

この作品には、誰かを殺したり、意味不明な病気にかかったり、人間の暗部を露呈させたりすることなく、プレイヤーに清涼感あるカタルシスを与える力があると思います。
ぶっちゃけ、そこいらのシナリオ重視作品より感動できると思います。
先の読めるというか、特別目新しくもないシナリオなのにも関わらずね。
少なくとも僕はそうでした。プレイできてよかったです。

まあ、一応陵辱ルートみたいなのがあるんですが、
これホントに辛いです。苦しいです。僕だけですか?
やっぱり炎道さんには明るく元気に笑っていて欲しいです。
そうプレイヤーに思わせるというのは、冷静に考えて素晴らしいことだと思います。
いや、ホントに。滅多にないことですから。



○キャラとギャグと実用性と

メインとなるキャラは3人…というか3キャラです。
まずは何と言っても炎道さんです!

炎道イフリナ
天才魔法少女で傍若無人な立ち振る舞いをするネコのような気分屋の炎道さんですが、
実は優しく、とても素直な愛嬌のある子です。
行動力があってぐいぐい主人公を引っ張っていき、そして振り回します。
また頭も良く、その判断力と分析力、そして魔法の力はとても頼りになります。
楽しいことが大好きな性格をしています。
言ってしまえば涼宮ハルヒです。
なので焼きもち屋さんです。メメ子にだって嫉妬しちゃいます。可愛いです。

カナイ・ジュリアラス
炎道さんと同じくフィギュアの体になってしまった魔法少女です。ですが等身大フィギュアを器としているので、ルートによっては直接カナイさんとムフフなことができちゃいます。
優しく、温厚な性格をしていますが、実際はボケボケしている感じです。
実のところ、おっぱいと同じぐらい大きな秘密を抱えていたりします。
癒されるキャラです。
言ってしまえば朝比奈みくるです。
言うまでもなくドジッ娘です。がっつり巨乳ちゃんです。

ハセガワ
謎のメイドロボです。優秀なヒューマノイドのようで優秀ではありません。
無口無感情系かと思いきや、主人公に対して愛のある罵倒(笑)を繰り返します。
主人公と目が合うとため息を漏らしたりします。
そのくせ主人公のことを「ご主人様」と呼び、自分の主人だと認定しています。
まったく敬意を見せませんが(笑)
彼女と主人公の掛け合いはなかなか面白いです。
言うなれば長門有希です。
長門ほど無口でも、小動物的でもありませんが。



って「涼宮ハルヒ」かよ!!
ええ、まあ、その通りでございます。3キャラとも見事に当てはまります。
でもいいじゃないですか、そもそも「涼宮ハルヒ」のキャラ像だってある種のテンプレート通りなんですから。ここはあれですよ、インスパイアとして受け止めましょう。懐の深さをみせることが真の漢というものです。

しかし、丁寧にキャラ描写が行われているので、ちゃんと炎道さんなら炎道さん、ハセガワならハセガワとして受け止めることができました。いいことだと思います。


そしてギャグですが、時折パロネタが入ります。
個人的にはマクロスネタやってくれたときは爆笑しましたね。
フォッカーならぬファッカーが出てきます。
もちろん「柿崎ィーーーー!!」のあの場面も再現されます(笑)
ガンダムに比べあまりパロネタにされることがないマクロスなので、
いざ実際にやられると新鮮で楽しかったです。

そいで実用性ですが、これはかなり高い方かと。
なにせピー音がないんですよ。

淫語をそのまんま言ってくれるんです!

声を張り上げて何を言っとるんだと、そんなのたいしたことじゃないだろと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことありません! かなりパッションがパッションパッションされます。
他にもバリエーションが豊富なのはもちろん、それなりに尺もあるので安心して楽しめます。
抜きゲーとしてもいい位置にいるのではないでしょうか。



○まとめ

最初こそ「どうせ地雷なんだろ」と思っていましたが、意外や意外かなり楽しめました。
もっと評価されてもいい作品だと思います。

アリス系作品が好きな方、ゲーム性のあるエロゲーをプレイしたい方なら、
ぜひ本作をプレイしてみてください。とっても楽しめると思います。


あと個人的なことを言えば、主人公・渡馬にとても好感が持てました。
何か特別な能力や、摩訶不思議パワーなんて微塵も持っていませんが(あえて言うなら、フィギュアを改造するのが上手いぐらい)、能動的ですし、前向きで素直です。
よくあるヘタレでイライラする主人公とは一線を画していると言えるのではないでしょうか。
これが非常に良かったです。
このことのおかげで、渡馬と炎道さんとの関係を心から応援できました。
こんなにも爽やかな気持ちでプレイできたのは久し振りでした。
またプレイしてみたいです。
今度は縛りプレイをしてみようかな。あ、別にPCの前で荒縄を使うわけではありませんよ。




評価 85点



この作品から受けた教訓 → パッと見で判断してはいけない

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