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help リーダーに追加 RSS 遥かに仰ぎ、麗しの レビュー

<<   作成日時 : 2006/12/19 19:00   >>

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何かが足りない。

画像

メーカーはPULLTOPです。
シナリオは丸谷秀人氏と健速氏です。

この作品、本校組と分校組にわかれていて、冒頭が終わるとどちらのシナリオをプレイするか選ばなくてはなりません。ライターが二人なのは、そういうわけです。補足として言っておくと、本校組は健速氏、分校組丸谷氏です。


大まかなあらすじを言いますと、主人公・滝沢司は新米教師で、何も知らないまま凰華女学院に赴任することとなるのですが、なんとそこは大企業の社長令嬢や名家の娘たちが通う女学校だったのです!

言っておきます、笑うところではありません
ガチでやっていきます。
旧華族があるいは名家と謳われた家が今どんな暮らしをしているのか、企業がどういう仕組みになっているのか、などを全くライターが知らないで書いている感全開なんですが、ついてこれないヤツは置いていくぜとロックに物語は進んでいきます。
なので細かいツッコミは不要です。
ロックはハートで楽しむものなのです。


○本校組と分校組と

まず本校組のキャラ紹介とでもいきましょうか。

風祭みやび
「ゆのはな」に出てくるゆのはにそっくりなんですが、丸谷氏が書いていないということもあって、そのまんまゆのはというわけではありません。
しかし、基本スペックは酷似しています。
小さいですし、よく騒ぎます。
それにわがままで、ぶっきらぼうで、でも根は素直で、優しくて、寂しがり屋で……
なんというか、子供です。
しかし頭が切れる方でもあるので、時には頼もしく思えたりします。
なかなかいいキャラです。

鷹月殿子
彼女は、そうですねえ、一言でいえば蒼星石です。
ホントに、蒼い子とよく似ています。大好きです。
こんな娘が本気で欲しいです。
個人的な感想だと、彼女のシナリオが一番よかったと思います。
ちゃんとまとめようとしている姿勢が窺えました。
「fly me to the moon」を持ち出してくるところは、なるほどなと思いましたよ。なかなか上手かったのではないでしょうか。
それもこれも殿子というキャラが、ちゃんと生きていたからでしょうね。

というか、何なんですか「殿子(とのこ)」って。なんちゅー名前なんですか。
絶対いじめられますよ、こんな名前だと。
絶対「バカ殿」って言われます。マーシーはどこだ?って詰め寄られるに違いありません。

エロゲーは変な名前のキャラが多いのですが、「殿子」ってのは群を抜いてますね。
もう脱帽です。

八乙女梓乃
対人恐怖症を抱え、殿子にしか心を許せないでいる少女です。
恥ずかしがり屋で、あからさまなお嬢様なんですが、その実、妄想たくましい(笑)暴走どじっ娘だったりします。
意外に、この作品のテーマが彼女のシナリオで表されているような気がします。


さて、次は分校組ですね。

仁礼栖香 オ○ニーです。
相沢美綺 にぎやかしです。
榛葉邑那 メガネです。


はい。
このあからさまな差別っぷりからもわかるように、僕は本校組派です。
というか、分校組は印象に残らないんですよ。
なんだかダラダラとシナリオが続いていった感じです。

とはいっても本校組シナリオが素晴らしかったかと言えば、そうではありません。
なんだか気取ったようなテキスト、クサすぎるセリフ、こっちが恥ずかしくなるような展開……
あれですよ、トレンディードラマですよ。
時代錯誤という言葉がぴったりですね。

何よりも気になったのは、これは分校組・本校組両方のシナリオにおいてなのですが、
重要な部分が描かれていない点です。
みやびシナリオの場合、本来解決しなくてはならない問題を棚上げにし、現前に起こる問題ばかりに囚われています。最終的には、棚上げのまま終わってしまいます。
あれですよ、おれたちの戦いはこれからだ!なんです。打ち切りエンドなんです。
それに、殿子や栖香シナリオでは、重要な問題に立ち向かうところの描写がスッパリ省かれています。まるで朝比奈ミクルの冒険のように。
はっきり言って、省いた意味がわかりません。


なんしか、シナリオ面では両シナリオとも問題だらけです。
キャラの魅力で、なんとかなっている感じです。
したがって分校組キャラの魅力を見出せなかった僕には、分校組のシナリオは苦痛でした。
それに主人公自体も別人なんですよ、分校編と本校編とでは。
わざと別人にしているような印象を受けるのですが、これまた意味がわかりません。
わざわざ別人にする必要は、はっきり言ってないです。
そんなところに腐心するくらいなら、シナリオの冗長さをどうにかして欲しかったです。


○味のあるサブキャラたち

いい味を出しているサブキャラが、本作にはとても多かったです。
リーダはもちろん鏡花や奏など……攻略できないのが残念です。
ですが、攻略はできなくて正解だと思います。彼女たちは攻略できないキャラだからこそ魅力的なのです。さんざん奈々子商法に弄ばされた僕が言うのだから確実です(笑)

とは言っても、上原奏はもったいないです。
彼女をメインにしたシナリオは作ってもよかったのではないかと思います。
詳しく言いますと、暁先生になかなか振り向いてもらえない奏、そこに現れる主人公滝沢司。
奏は司の優しさに触れ、次第に心が引かれていく。だが、暁先生のことを忘れることはできない。揺れる気持ち、葛藤。司と暁先生がサシで対決というか、本音をぶつけあってもいいです。なんしか、男の戦いがあったのです。その結果、司は暁の本心を知るのです。そして司は決心し、奏に答えを出させようとします。奏は司になびこうとしていたのですが、司はそれを是正し、ついに奏の口から暁先生のことが好きだと言わせることに成功するのです。そして司は学院から去るのでした。終わり。……みたいなね。
どうですか?
ダメですか!?
キモイですかっ!?
妄想もたいがいにしないと体に毒ですか!?
そんな殺生な! 僕から妄想をとったら一体何が残るっていうんですか!?
そんなことになったら、一日中壁に向かって話し続けるしかありません。
廃人です。人間廃業です。ご勘弁です。


とにかく、攻略できなくても、もっとサブキャラにスポットを当ててもよかったと思います。
はっきり言って背景すぎます。これでは登場した意味がありません。
それに立ち絵すらないキャラが多いというのはどういうことなのでしょう!
これは怒っていいところだと思います。
通りすがりの学院生にも立ち絵を作れとまでは言いませんが、せめて司とよく話をする学院生には立ち絵が欲しかったです。
たまに「あれ、コイツ誰だっけ?」となる時がありました。
まあ、僕の記憶力にも問題があるんですけどね。



○決定的に何かが足りない

おそらく、僕はもう二度と本作をプレイすることはないでしょう。
本作には、一度フルコンプしたプレイヤーに対して、もう一度やりたいと思わせる何かが決定的に欠けているのです。

「ゆのはな」は冗長なシナリオでしたが、もう一度やりたくならせるものがありました。それは温かさです。
しかし、本作にはそういったものがありません。
上手く作ろうとして小手先芸に終始してしまったと言わざるを得ません。

あくまで個人的なことを言わせてもらえれば、
僕は上手い作品よりも、多少荒くてもいいから強い力を持った作品をプレイしたいです。
無難な作品はもう結構です。
激しいパトスをぶつけるような、いびつでも何かが突き抜けているような、そんな作品と巡り会いたいものです。



評価 65点

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浜谷太一
2008/03/05 11:09

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